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◆多嚢胞性卵巣(PCO:polycystic ovary)または

 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:polycystic ovarian syndrome)の

 原因とエピジェネティクス

多嚢胞性卵巣(PCO:polycystic ovary)・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS:polycystic ovarian syndrome)とインスリン抵抗性についてはこちら

PCOSは遺伝的素因もあることは以前から知られていました。

(母にPCOSがあると、娘もPCOSのリスクが高まる。ただし、正確に言うと、遺伝的素因と環境要因の両方です。)

この点は、体質的な相似(親と似る事)とインスリン抵抗性やある意味の環境因子(体質だけでなく嗜好も似るため、甘いものが好き・・・など)の問題ともつながっていると考えています。

PCOSの原因はインスリン抵抗性だけではなく、可能性がある原因は他にも色々あります。

 

最近、ネズミの実験でPCOSの発症は妊娠中に母体のAMHが高いことが、次世代(胎児である娘)のPCOSの発症リスクが高まる事に繋がる・・・との論文も出ています。

これは、母体内でのエピゲノム(AMHが高いこと)の影響が、結果として次世代にPCOS発症の可能性を上昇させる事を示唆しています(*1)

 

PCOSの方(場合によったらPCOの方も)は、妊娠前にPCOSを改善させておくことが、生まれてくるお子さんの為になる可能性があります。

PCOSのエピジェネティクスが関与した発症は、AMHだけではありません。

ネズミ(ラット)の実験では、ビンクロゾリンやDDT(共に殺虫剤の成分、DDTは日本では使用されていません)によっても、女性の生殖能力や健康に影響を与えるPOI(原発性卵巣障害)とPCOSが世代を超えて増加した(F3までの実験)ということです(*2)

 

ビンクロゾリンやDDTは共に農薬:殺虫剤の成分で、DDTは既に日本では使用されていません。

さらに、環境省の定める65項目の中でDDTは内分泌かく乱物質であり、ビンクロゾリンは内分泌かく乱物質であることが疑われる物質です(ビンクロゾリンは未だ販売されています)。

人々の健康を考えた場合、農業に関する環境汚染(農薬等)も重要な案件になってきますね。

DDTなどの内分泌かく乱物質は、子宮内膜症の原因物質の可能性がある事でも知られています。

多嚢胞性卵巣症候群
(PCOS:polucystic overian syndrome)
診断基準
  •  月経異常

  •  多嚢胞性卵巣(超音波所見)

  • 血中男性ホルモン高値(またはLH高値でFSH正常)

症状
  • 月経異常
  • 不正出血
  • 排卵障害(含無排卵)
  • 帯下(たいげ=おりもの)
  • ニキビ
  • 多毛
  • 男性化
  • 肥満
  • 糖代謝異常など
原因・・・今だはっきりとはしていないが
  • 遺伝傾向が強い
  • 多遺伝子性
  • 多因子性、全身性
  • ステロイド異常状態
  • インスリン抵抗性
  • 環境因子
  • 炎症性   等のことから
PCO・PCOSの原因として、インスリン抵抗性が注目されている。
(*1) Cause of polycystic ovary syndrome discovered at last  New Scientist 14 may 2018
(*2) Environmental toxicant induced epigenetic transgenerational inheritance of ovarian pathology and granulosa cell epigenome and transcriptome alterations: ancestral origins of polycystic ovarian syndrome and primary ovarian insufiency 
Epigenetics Volume 13, 2018 - Issue 8
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PCO(多嚢胞性卵巣)・PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)で考える事